肝臓に中性脂肪が蓄積されることで起こる脂肪肝は、アルコール摂取量やカロリー過多の食事などが原因で起こるとされ、肥満と密接に関わっています。
脂肪肝による障害や、改善する方法などについて考えましょう。
食事などから摂取した脂質は、脂肪酸となって小腸から吸収されると、血流に乗り肝臓に運ばれます。
肝臓では集まってきた脂肪酸が中性脂肪となって、生命活動のエネルギーとして使われます。
しかし、活動のエネルギーとして使用される量よりも摂取する脂肪の量が多いと、不要な中性脂肪は何らかの方法で蓄積されることになります。
皮膚の下に溜まれば皮下脂肪、内臓周りに蓄積されると内臓脂肪となり、肝臓にそのまま蓄積された場合は脂肪肝となるわけです。
脂肪肝の原因は、多量のアルコール摂取、高カロリー高脂質の食事、運動不足など。こうしてみると、糖尿病や肥満が起こる原因とほぼ同じことが分かります。
脂肪肝と肥満とは、かなり密接な関係にあると言えるでしょう。
脂肪肝であるかどうかを判断するためには、肝臓に含まれている酵素ALT(GTP)や、肝臓のほかすい臓などにも含まれる酵素γ-GTPの量をチェックする必要があります。
これらの酵素の量は、血液検査の数値で知ることができますが、ALT(GTP)は30以下、γ-GTPは50以下が基準値とされています。数値が基準を上回っている場合は、何らかの原因で肝機能の低下が起こっていることが予想され、脂肪肝もそのひとつ。
脂肪肝の場合は、肝臓の5%以上が中性脂肪となっていて、放っておくと肝硬変や肝臓がんへと進行することもあります。
肝臓は“沈黙の臓器”と呼ばれるほど自覚症状がなく、黄疸などの症状が出た時にはかなり病気が進行してしまっているというケースが多いのも特徴です。
脂肪肝を改善するための方法は、一般的なダイエット法とほぼ同じと考えてよいでしょう。
まずは、アルコールの摂取を控えめにし、カロリーや脂質の多い食事を改め、食事量を減らす必要があります。特にアルコールは、分解時に肝臓がダメージを受けることが多く、摂取量を厳しく制限することが大切です。
さらに、蓄積された中性脂肪を減少させるよう、ウォーキングなどの運動を取り入れる必要があります。
肥満を解消するダイエットが、そのまま脂肪肝を改善するための効果的な方法であると考えて間違いありません。