職場や学校、家庭などで誰しも一度は感じたことのあるストレス。精神的なプレッシャーが身体へ与える影響や、ストレスと肥満との関係などについて解説していきましょう。
ストレスという言葉は日常的によく使われていますし、多くの人が日々ストレスを体感していると言えますね。しかし、一般的にストレスと呼ばれるものの中には2種類あることを知っていますか?
受験当日や重要なプレゼンの日、プロポーズをする日など、ここ一番という勝負のときに胸がドキドキしたり、手に汗を握ったり。胃がキリキリとしたり口が渇いたりするのは、急性ストレスと分類されるものを感じているとき特有の反応です。
急性のストレスに対抗するために、私たちの身体は、交感神経と副交感神経を交互に働かせて対処しています。まずは、交感神経を働かせて身体を奮い立たせ臨戦態勢をとって、プレゼンなどのストレスに立ち向かうわけです。そして、ストレスの原因を上手く処理し終わったら、副交感神経の働きによって身体をのんびりリラックスさせます。
一方、いつもプレッシャーにさらされた状態が続いている場合は、慢性のストレスと分類されます。
常に臨戦態勢を取り続けなければならないため、脳からストレスに対抗するためのホルモンが分泌され、身体が戦うための準備を続けます。そして、なぜか脂肪の蓄積が盛んになり、お腹周りなどにぜい肉が付いてしまうのです。慢性的なストレスの、非常に迷惑な特徴です。
主に急性のストレスを感じているときには、交感神経が働いて身体が緊張状態となっているため、食欲が抑えられていることが多いようです。いわゆる“食べ物が喉を通らない状況”というわけですね。
逆に、慢性ストレスを感じているときは、ストレスホルモンの作用で脂肪を蓄積しやすくなっています。脂質の多いメニューや甘い食べ物のやけ食いを繰り返してしまう人もいるようです。このような人は、ストレスを感じると必要以上に食べることに走ってしまい、あっという間に太るタイプ。
逆に、ストレスを感じると全く食事ができなくなり、どんどん痩せてしまう人もいるそうなので、ストレスと肥満との関係は複雑で難しいものです。
ストレスを解消するための手段として、食べることやお酒を飲むことを選んでしまう人は肥満に注意する必要があります。やけ食いややけ酒は、一時的ではありますが、手軽にストレスを解消できるので安易に選択しがちですが、その結果として太ってしまい、それに対するストレスを感じることになるというのが現代人の特徴なのです。
極端な食事制限を必要とする過激なダイエットを経験している人は、体重が増えることに特に強いストレスを感じて、罪悪感や恐怖の感情を持つことがあります。食べては吐くという行動を繰り返したり不必要な下剤を使うなど、行動がエスカレートしてしまう危険もあります。
体重増加に対する強いストレスを感じた場合は、カウンセラーなどに相談し、適切なメンタル面のケアを行う必要があります。