基礎代謝が低いことは、ダイエットがなかなか成功しない要因のひとつとなります。
肥満を解消するために必ず知っておきたい基礎知識のひとつ、基礎代謝について解説しましょう。さらに、代謝を上げるための方法なども紹介します。
基礎代謝とは、私たちが生命を維持するために必要なエネルギーのこと。
私たちが呼吸をしたり、体温を維持したり、内臓を働かせたりする行為は、特に意識して行っているものではありませんが、意外とエネルギーを消費しているのです。それら”まったく運動しなくても生きているだけで消費するカロリー”のことを、基礎代謝と呼びます。
私たちが1日に消費するカロリーは、この基礎代謝+運動による活動代謝ですが、総消費カロリーの約7割が基礎代謝であるという説もあります。ダイエットへの影響は大きいですね。
1日の基礎代謝量は、個人差が多少はありますが、年齢や性別によってある程度決まっています。一般的に男性の方が女性よりも基礎代謝量が高く、年齢が上がると男女とも代謝が下がると言われています。
最近は、体脂肪や基礎代謝量を測ることができる体重計も普及していますから、毎日自分で測っているという人も多いかもしれませんね。そういった高性能の体重計は、筋肉量などを計測した上で数値を出しているので、かなり正確な基礎代謝量を知ることができます。
ここでは、そのような体重計をお持ちでない方のために、年齢と性別から基礎代謝量を知る方法をご紹介しましょう。次の計算式で、おおよその基礎代謝量を算出できます。基礎代謝基準値は下の表を参照してください。
基礎代謝量(kcal)=体重(kg)×基礎代謝基準値(kcal/kg/日)
年齢 | 女性の基礎代謝基準値 | 男性の基礎代謝基準値 |
---|---|---|
15~17歳 | 25.3kcal | 27.0kcal |
18~29歳 | 22.1kcal | 24.0kcal |
30~49歳 | 21.7kcal | 22.3kcal |
50~69歳 | 20.7kcal | 21.5kcal |
基礎代謝量は、内臓を動かしたり呼吸するだけで消費されるカロリーなので、基礎代謝が上がれば、それだけ何もしなくても消費されるカロリーが増えるわけです。基礎代謝が低い人は、カロリーを消費するためにより多くの運動量を必要とするため、蓄積された脂肪をエネルギーとして燃やすことがなかなかできず、痩せるのが難しくなります。
身体の中で最もエネルギーの消費が多いのは筋肉です。全体的に筋肉量が多い人は代謝が高く、筋肉の量が少ない人は代謝も低くなります。さらに、体温が低い人、冷え症や肩こりなどの症状がある人も、血流が滞っていて基礎代謝が低い場合が多いようです。
特に注意すべきなのは、ダイエットとリバウンドを繰り返している人。食事制限によるダイエットを行うと、一時的に脂肪が落ちますが同時に筋肉の量も落ちてしまうことが多く、基礎代謝も一緒に落ちてしまいます。ダイエット前よりエネルギーの消費量が少なくなってしまうので、ダイエットをやめて摂取カロリーが元に戻るとすぐにリバウンドしてしまうのは、このせいなのです。
太ったり痩せたりを繰り返している人は、基礎代謝量がかなり落ちている可能性大ですから、単純に食べないダイエットではなく、基礎代謝を上げるような工夫をしなければ、もう減量はできないというわけです。
人間の身体の中で最もエネルギーを消費するのは筋肉。ウエイトトレーニングなどで筋肉の量を増やすだけで、格段に基礎代謝量が増えます。
おすすめなのは、腹筋や背筋など身体の中心を支える大きな筋肉を鍛えること。インナーマッスルと呼ばれる体幹を支える筋肉は、少し鍛えるだけでも筋肉量が大きく増えて代謝も高まります。
普段あまり運動する習慣がなく、「腹筋や背筋を鍛える運動はちょっとツラい…」という方は、姿勢を正す努力をしてみましょう。お腹に力を入れて背筋をまっすぐにし、いつもより姿勢を正して生活するだけでも、腹筋や背筋の強化につながり、代謝もアップしますよ。